橋本屋 代表 東原 孝能へ取材16年連続黒字経営の秘訣

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橋本屋 代表 東原 孝能へ取材
16年連続黒字経営の秘訣

代表取締役社長 東原 孝能

中核事業を変え大きな転機に、会社を黒字化した5代目社長

橋本屋は代々親から子へ継がれてきた創業120年以上の企業

社長に就任された経緯を教えてください

橋本屋は創業123年目ですが、代々父親から子へ継がれていきましたので、私も5代目の社長を継ぐつもりでおりました。細かいことを言うと、私の先代は父親ですが、その前の代は私の祖母で、女社長だったんです。そこの代は一番大変だったんだろうなぁと思います。

 

他社で経営のため、経理を経験し橋本屋では38年

社長になる前はどういったお仕事をされていましたか?

大学を出てすぐは、関連の石油製品の会社に一年くらいおりました。その後、経理などが経営に必要になるので、勉強をするために税理士事務所で半年くらい働きました。それから橋本屋へ入社したのですが、もう38年になりますね。橋本屋に入ってからは営業を担当していました。

 

社長就任後16年連続右肩上がり

会社を引き継ぐにあたり心配だったことはありますか?

引き継いだ当時は、会社自体が儲かっていない時でした。そういう状況で引き継ぎましたので、まずは会社を立ち直さないといけません。ダメでもともと、と開き直っている部分もありました。皮肉ではないですけど、悪い状態だったから苦労をさせてもらい、いい経験をさせてもらったなと思っています。
社長になって16年くらい経ちますが、ずっと右肩上がりで利益が出ています。自分がすごいと言うのではなく、運が良かったのかなと思っています。自分のやり方が当たった部分もあると思いますし、社員の協力があったからこそ、利益を上げることができました。

 

利益を上げるためにガソリンスタンドをやめ整備工場に拡大

利益を上げるための背景には何がありますか?

私が社長になる寸前までは、本業がガソリンスタンドでした。ガソリンスタンド自体が儲からない業界だったのですが、縮小しながらもなんとか頑張っておりました。しかし、ガソリンスタンドは赤字だったのです。
私は社長になる瞬間に、ガソリンスタンドをやめることを考えていました。父親は私に対し「自分で決めてやりなさい」と言ってくれていたのですが、専務である叔父が「ガソリンスタンドをやめたく無い!」と会議で大げんかになりました。もともとメインでやっていたので、当然ですよね。叔父もなんとか認めてくれて、ガソリンスタンドをなくしたことにより黒字になりました。元々のガソリンスタンドを整備工場に拡大し、おかげさまで今は相当忙しくなっております。ガソリンスタンドをやめたのは大きな転機でしたね。

 

社員みんなが頑張ってくれているからお客様が喜んでくれている

他にも会社の業績が良くなった理由はありますか?

当たり前のことですけど、社員を大事にしています。会社に利益が出ないと、社員にボーナスをあげられません。能力のある人がどんどん辞めていってしまう現象があったんです。やる気がない社員が残ると、どんどん悪循環に陥ってしまいます。やる気がある社員には賞与も給与もあげられるようにしたかったので、人事評価制度を見直しました。コンサルタントに頼んで、自社の評価制度を作りました。みんなに頑張ってもらっているから、伸びています。「会社・社員・商品・お客様」この4つが循環していて、ぐるぐる巡っています。いいサービス・商品であればお客様は買ってくれる、そうすると会社が儲かる、儲かった分を社員に返すと、社員がやる気になり、お客様へのサービスが良くなる。この循環です。
また頑張ってもらっている社員に還元したいという気持ちから、新たな社内制度も作りました。特にリフレッシュ休暇・コミュニケーション費用・永年勤続表彰(詳しくはこちら)は好評です。
お客様も、社員も、会社も、みんなに喜んでもらわないと、会社は良くならない。自分だけ儲かってしまうと、お客様へのサービスが悪くなります。そうなるとお客様は他へ行ってしまいますから。

社員に喜んでもらえるように、仕事以外でも楽しんでます

趣味であるサッカーやゴルフ・武道で培った人脈・判断力が仕事でも活きている

お休みの日などはどんなことされてるんですか?

私は学生時代からサッカーをやっています。今でもシニアのサッカーをやってるんですけど、学生時代の友達・先輩・後輩とは今でも楽しく過ごしています。
若い頃はサッカーばかりやっていましたが、最近はゴルフもやっています。あと武道は合気道、剣道、柔道と色々やりました。怖いおじさんに思われるかもしれないけど、怖くないですよ?笑
特に合気道は先生になる一歩手前くらいまでやってきました。
頭以外は鍛えました。笑 そういう人脈や経験からの判断力が、仕事でも活きているのかなと思います。

 

身体を第一に残業はできるだけしないようにしてもらっています

普段のお仕事も残業をできるだけしない、休みはちゃんと取るという習慣を徹底されているとお聞きしました

そうですね、まずは身体のことを考えて欲しいので、残業はできるだけしないように、早く帰ってもらうようにしています。多少の残業はありますが、遅くまでは残っていません。しっかり土日は休んでもらうようにしています。整備工場は土曜日もやっていますので、交代で平日に休みを取って、完全週休2日になるようにしています。女性の場合は産休育休の常識の範囲内の制度もありますので、取ってもらっています。

 

橋本屋の社員はみんな真面目!

社長から見て、どんな社員が多いですか?

みんな真面目ですね。真面目すぎるくらい真面目な人もいます。
あとは仕事が早いです。クライアントは開発をしているから、待った無しですので、とにかく早くやる癖がついています。
整備工場の方も、ものすごい台数をこなしています。密度で考えたら、都内で一番だと思います。整備工場は中途採用が多いので、入社された方はみんなびっくりしていますね。忙しすぎて辞めちゃった人もいるけど、慣れてきてしまえばどんどんやって、早く帰ってゆっくり休みを取れるというのは、社員にも喜んでもらっています。

若い感性と女性の活躍 ー 東原社長の描くこれからの橋本屋

20、30代の若い人材に入社してきて欲しい

今後はどんな会社にしていきたいですか?

若い人材に入って欲しいです。若ければいい、というわけではないですが、若い人材が入ってきてくれないと、私の代が良くても息子の代で困ってしまいますので。20代30代の方が「入りたいな」と思える会社を作りたいです。お給料・お金だけが全てではないですし、会社の雰囲気や働きやすさもあるでしょうからね。大手の会社でも人材がなかなか集まっていないようですので、なかなか難しいなと思っています。
あとは女性の活躍も大事だと思っています。女性がバリバリ営業でもなんでもやれるような会社にしていきたいです。日本は女性の管理職が少ないと言われていますが、管理職になれる方はなっていいと思います。女性は出産・育児もありますが、ちゃんと出産する際の制度もありますから、大丈夫です。男性と女性は平等といえど、体質が違いますから、それぞれの特徴というか、得意なところで活躍してもらえばいいと思います。そこは役割分担して、なんでも全て平等というのは違うと思いますから。

 

若い人材には発想力で価値観が先輩と違っても社内に意見を出して欲しい

若い人にはどんなことを期待しますか?

若い人に期待するのは「発想力」ですね。私も若い時は「ここを変えたほうがいいんじゃないか、こうしたほうがいいんじゃないか」と感じることがたくさんありました。同じように20代や30代の発想でないと分からないことを、社内に意見を出して欲しいです。変えることができるものは変えていきたいです。
例えば、笑いのポイントも、我々と若い人たちでは違います。笑いの質も、食べ物も、ファッションも、全部変わってきています。そういう違いをできるだけ言えるような会社にしていきたいです。息子たちには「親父は俺の話聞かない、頑固だ、ワンマンだ」とか言われますけど。笑

 

橋本屋ではみんなで協力することを大事にしています

最後に橋本屋さんが大事にしていることを教えてください!

みんなで協力することを大事にしています。一人だけ良い・悪いとかはありえません。みんなで協力してやっていきます。営業の場合は個人ノルマの数字はありますが、評価をする際には、支店の数字と個人の数字を合わせて評価します。支店の数字が達成できるのが一番。人のためにやったことも「協力」したこともしっかり評価をし、より協力を大事にする雰囲気を作っています。